Evernoteのライトユーザーで、有料プランへのアップグレードを検討している人は早いほうがいいかもしれない。無料（ベーシック）プランと、プレミアムのあいだにあった「プラス」プランが2018年4月で廃止されていたからだ。
無料プランを使っていた私は2018年5月27日時点で「プラス」への登録ができたが、いつまで申し込めるかは不明だ。
Evernoteの現在のプラン
サービス内容の改悪が続き、有料プランにするのを迷っていたが…
Evernoteを、クラウド上のスクラップブックのようにしてほぼ毎日使っているのだが、ここ数年しばしば月間アップロード容量の上限（無料のベーシックプランは月間60MB）に引っかかるようになってきた。
便利だから使い続けたいし、サービス継続のためにも適切な料金を支払うことには賛成なのだが、どうもEvernoteはあとからサービスを改悪することが多く、ライトユーザーにとっては厳しい。
2016年8月にはベーシックプランのユーザーがアプリで使えるマシンの台数を2台までにし（ブラウザからログインすれば台数制限にはかからない）、有料プランも大幅に値上げした（プラスプラン：240円/月〔2,000円/年〕→360円/月〔3,100円/年〕、プレミアムプラン：450円/月〔4,000円/年〕→600円/月〔5,200円/年〕）。
こういうことが何度かあると、また簡単にサービスが改悪されたり値上げするのではないかと、有料プランにアップグレードするのをためらっていた。
Webクリッピングに一番向いているのはEvernoteだった
2016年の値上げの際にはEvernoteから他サービスへの乗り換えが話題になったが、今回私も、ひとまず無料で使える他のサービスを比較検討してみた。
乗り換え先として候補の筆頭に挙がることの多い、Microsoft「OneNote」と、意外にいろいろできるApple純正の「メモ」とを比較してみたが、どちらも自分の使い方には向かないことがわかった。
OneNoteもメモも「Webクリッピングが不便」なのだ。
iPhoneのSafariの画面下メニューからそれぞれのアプリへWebページを保存して比較してみた結果が、以下の画像だ。
Appleのメモは、Webクリッピングがただの「ブックマーク」になってしまって、本文が保存できない。
Apple「メモ」に保存
OneNoteはなんと、本文を「イメージ保存」だ。これではアプリ上で読めないし、「文字のコピー」を試してみたが、文字認識の精度が悪くて誤字が多く、見た目で改行が入るのでこれでは使えない。
あと、ノートブック、クイックノート、セクションといったように文書の管理が複雑で（階層での管理方法はいかにもWindowsらしいなと思ってしまう）、単純にクリップした文章や画像をパッと放り込んでおいてタグで管理・検索したい自分には不向きだった。
「OneNote」に保存
EvernoteのWebクリッピングは、本文を書式などを保ったテキストで丸ごと保存できる。
「メモ」のときのようなブックマーク保存は、デスクトップ用ブラウザの拡張機能（Webクリッパー）では別メニューで用意されている。
「Evernote」に保存
Webクリッピングで本文を保存しておきたい場合は、これらの中ではEvernoteが一番使いやすかった。
（もしもっと使いやすいアプリやサービスがあったら教えてください）
「プラス」プランが廃止されていた
Webクリッピングが他のサービスでは自分の使い方にまったく合わないことが分かったので、Evernoteを有料プランで契約することを決めた。
有料プランでも「プラス」（年間3,100円）ならなんとか許容範囲だ。ToDoの「ToDoist」も年間3,500円だし、このあたりが自分の中の適正価格になっている。
そこで、プラスを契約しようとEvernoteのサイトを確認したところ、なんと「2018年4月上旬にEvernoteプラスへのお申し込み受付は終了いたしました」とあるではないか。
2018年4月上旬にEvernoteプラスへのお申し込み受付は終了いたしました。ベーシック版よりも多くの機能をご利用になるにはプレミアム版にアップグレードしてください。（Evernote有料プランについてよくある質問）
しかし、タイミングの悪さを後悔しながら自分のアカウントにログインしてみると、まだ「プラス」への登録が可能だった。「プラス版の新規申し込みはできない（ことになっている）が、既存ユーザーは今後も継続してプラス版で使い続けることができる」と書いてあったので、その場で契約をした。
（上手いこと乗せられたのであろうか（笑））
PDF内の文字が検索できなくなっていたのはがっかり
「プラス」プランに変更したことで月間アップロード容量が1GBに増えたので、月末にデータの同期ができなくなることはないだろう。
一つ納得がいかないのは、「PDF文書内の文字検索」がいつのまにかプレミアム版以上でないとできなくなっていたことだ。以前は無料プランでも検索できていたのに。
昔PDF化して文字検索ができたデータについては現在も引き続き検索できるらしい。あと、画像内の活字や手書き文字の検索は現在もできるようだ。
2015年4月29日までに追加されたPDFはすべて検索可能です。それ以降に追加したPDFや文書に含まれる文字を検索するには、プレミアム版にアップグレードする必要があります（Evernote有料プランについてよくある質問）
だから、名刺を「Scannable」などのアプリでスキャンした際、OCRがうまく働かなかったものをそのまま「PDFで保存」してしまうと、文字情報で検索に引っかからなくなってしまうので注意が必要だ。また、それらのすでに読み込まれた文字情報の修正は「タイトルのみ」可能で、他の情報の修正はできないらしい。これについては自宅のデスクトップではできたような気がするので、追加で調べたい。
